(続き)
「引っ張ったら取れたりして」「いたた、いた、痛い!」「無理かあ」 戯れる(?)三郎と雷蔵を見ていた八左ヱ門が「なあ、もしかして、飛べるんじゃねえか?」と言うので、試してみることに。人目のない裏々山で、木の上から滑空して、ふわりと浮き上がる三郎。「飛べた!」「行けそうじゃん!」と興奮する二人とは対照的に、だんだん口数が少なくなってくる雷蔵。
「もっと高いところから飛んでみようぜ」という八左ヱ門の言葉に、崖の上にへと登る三人。三郎がバサバサと翼をはためかせる。ちょうどいい向かい風が吹いて、三郎の体がふわりと浮く。そのまま空高く飛ぼうとした三郎を、雷蔵が引き留める。「行くな!」「え?」バランスを崩して崖から落ちそうになる三郎を、とっさに捕まえようとして、三人で崖から落ちてゆく。
ガクンと頭が枕から落ちて、目を覚ます雷蔵。確かに落ちた思ったのに、そこは長屋の自分の部屋で、隣では三郎が眠っている。「夢……?」おそるおそる三郎の布団をめくると、その背中に翼は見当たらない。そのことにほっと息をついて再び横になる雷蔵。

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